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『ゆっくりさよならをとなえる』川上弘美
ゆっくりさよならをとなえる
新潮社 2001年

この世にあってよかったなぁと心から思うもののひとつに川上さんの本がある。読みながら、本当に好きだなぁと、いちいち噛みしめながら、読む。
そんな川上さんのエッセイです。もしかしたら、私は川上さんの小説よりエッセイの方が2割ほど余計に好きかも知れないと気づく。しかしそれって著者にとってはあまり嬉しくないだろうか?いやいやエッセイだって小説の変形みたいなものだから、いいはず。などとぐちゃぐちゃ思う。のでこっそり呟くことにします。川上さんのエッセイが2割り増し、好きです。

ここのところいつもの「少々鬱」にかかっていたのでこの本が手元にあって本当によかった。「少々鬱」は夕暮れ時にスーパーの前で主人を待つ、足の短い犬の頭を撫でたら恢復していきました。見知らぬ犬よ、ありがとう。

さて、どの頁も好きなのだが、とりわけ好きなものをあげてみる。
 峺澱咫
岩波文庫の背表紙の★を見ているうちに、笑いがこみ上げてきた、という話。そこに芭蕉の「古池や…」の句で同じく笑いがこみ上げてきた内田百里力辰重ねられる。二人とも変なもので笑うものである。と思って、その時まだ「少々鬱」を引きずっていた私は、突然だが漢字練習がしたくなった。本当は何か縫い物や編み物など、黙々としかし進捗状況が明らかであるものをしたかったのだが、縫い物も編み物もできない私は、しょうがないので漢字練習で代用にしようと思ったのだ。けれど深夜に突然そんなことを思いついてみたところで、漢字練習帳なるものは手元にない。妥協の妥協で、昔買った『声に出して読みたい日本語』を写すことにした。
『少々鬱』な私は、思いっきり惨めたらしい文章をさがすことにした。すると石川啄木の「われ泣きぬれて 蟹とたはむる」の詩が目にとまった。
それを一字一字ノートに写していると、なぜかとても可笑しくなってきた。
泣きながら、よりにもよって蟹とたわむれている、というのが可笑しくてたまらない。そして一度可笑しいと思ってしまうと、何度も考えてしまう。それは翌日会社に行っても後をひくほどだった。なんだか、恐れ多いと思いつつも、川上さんと「くくく」を共有したようでちょっと嬉しくやはり可笑しかった。

不幸に似かよったもの
この中で、
 男が女を「かわいい奴」と思い、女が男を「うい奴」と思うとき、両者の心の奥底にあ るのは、一種の「みくびり」じゃなかろうか
この一文に脱帽。確かに確かにと諤々と頷くしかない。

川上さんの本のどこら辺が好きなのだろうと、まただらだらと考えていた。
言葉の使い方が、好きだ。特にひらがな。それから句読点の打ち方。

最近、川上さんの新刊が数冊、出た。図書館で借りるので読めるのはいつになるやら。
Δ ほん | 21:03 | comments(0) | trackbacks(0) | tien
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