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『航路』コニー・ウィルス
航路〈上〉
航路〈下〉
ソニ・ーマガジンズ 2004
[うーん…]星星星

NDE(臨死体験)を科学的に解明するため日夜、病院を奔走する認知心理学者のジョアンナ。一方、神経内科医のリチャードは薬物投与によって人為的にNDEを起こして脳の状態を記録することでNDEを解明するプロジェクトを起こし、ジョアンナに協力を求める。様々なトラブルの果てに被験者が不足し、ジョアンナは自分が被験者になることを提案する…。

「死んだらどうなるのだろう?」って誰もが一度は考えることだと思います。多くは思春期頃に。私も大多数に漏れず中学生の頃によくそんなことを想像してました。暇だったんですねぇ。当時から信心薄い人間だったので「天国」とか「地獄」とかが実際にあるという選択肢は無し。でもどうやら色んな人が臨死体験をして、色んなことを見ているらしい。ということで納得できる(自分が)結論として、「死んだら自分の心に帰る」ということにしてずいぶんさっぱりした記憶があります。今考えたら何だそりゃって感じですが。そんな頃もあったなぁと久々に思い出しました。
っても本書は「死後の世界」のお話ではなく、あくまでもSF、NDEを解明する話です。
(ネタバレしてます。未読の方注意)
前々から「読むのに時間かかるけど、面白いよ!」と薦められていたこともあり、時間も軟禁中につき売るほどたまっているので、読んでみました。…結論から言って、ラストはそれほど「感動」出来なかったです。どうやら妊婦は味覚のみならず、読書傾向も偏向してしまうよう〜残念です。文庫版を取り寄せたので帯が巻いてあるのですが、上巻は宮部みゆき、下巻は瀬名秀明、という好きな作家様のお言葉が寄せてあるのにもかかわらず。

でも面白くなかったわけではないです。あっちこっちで感想を拾い読みすると、前半の右往左往、ドタバタが辛かったという言葉も多々あったのですが、そこらへんはむしろ楽しんで読めました。ミスター・マンドレイクやミセス・ダヴェンポートを避けるために、あちこちの病院通路を迂回する様子も、「あるよね〜」などと共感してしまう。その前半部分が後半の結末と対応することにもなるのだし。

登場人物も分かりやすいながらも実に魅力的でした。白衣からあらゆる食べ物が出てくるリチャードとか(ラピュタのパズーか?)、自分のことは棚にあげてジョアンナを心配する親友のヴィエル、アルツハイマーの伯父の世話をする気丈で機転がきくキット、そしてなによりも、心臓病で入院している災害マニアの少女、メイジー。彼女が一番傑作でした。ディズニー大嫌い、嘘・ごまかしを厭うところが。彼女の病気が完治したら、誰にも止められないでしょう。

なので、決して面白くなかったわけではないのです。私が楽しめなかった理由に「大いなる杞憂」があります。前半のドタバタは楽しめたとはいえ、展開はゆっくりです。ジョアンナのNDEにしたって、何度も何度も戸口まで行くのになかなか先にすすまない。早く敷居をまたいでくれーと何度思ったことか。そのまま上巻の大多数のページはめくられていく。NDEを解明する化学物質について深く触れられることもない。実はちょっと前に瀬名秀明『ブレインバレー』を読んでいて、そこでは何度もしつこく図入りで化学物質について触れられていたので、無意識にそういう展開を考えていたのかも。(『ブレインバレー』は化学的には面白かったけど、小説としては?)そのうちにタイタニックが出てきて、ジョアンナは「実際にある場所」と言い始めて、もしやこれはSFのFの方へ走ってしまうのだろうか、とドキドキしながら読み進め、リチャードが自分で潜ったときに「やめてー」と。結果的には無駄な心配でした。ジョアンナが死んだのはビックリしたし、悲しかった。ただ、それ以後のジョアンナの死(脳死)までの過程は、必要?海に沈んだところでよかったのでは。最後にヨークタウンが出てくる理由が分からなかったです。NDEの解明結果も「SOS」ということは分かったけれど、へーという感じで特に感慨もなく。冒頭で「サバイバル術」ではないという文があった気がして、それ以外の結末が用意されているのだと勝手に思い込んでいたので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。これらの点が不満だったところですが、SFだと思わず、もっと気軽に読んでみれば楽しめたのかも。

ところで『ブレインバレー』の時にも思ったのですが「体外離脱」については置き去りなのはどうして?
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